最強の戦闘機や戦略爆撃機のパイロットになるためには、パイロットとしての適性に加え、段階的な訓練を受けることになります。
ここでは、米国空軍のパイロット訓練について紹介します。
米国空軍のパイロットコース
米国空軍のパイロットになるためには、パイロット適性試験と飛行審査で選抜され、段階的に訓練を受けることになります。
- パイロット以外に、遠隔操縦機のパイロットや戦闘システム士官なども同様の訓練を受けます。
以下、段階的な飛行訓練機と訓練機について説明します。
下図は、中央はT-1Aジェイホーク、プロペラ機はT-6AテキサンII、両端はT-38タロンです。

241218-F-IL807-1977 Flying the Jayhawk into the sunset A five-ship formation flies together at Laughlin Air Force Base, Texas, Dec. 17, 2024. The final flight of the T-1A at Laughlin consisted of two T-6A Texan IIs, two T-38C Talons, and the final T-1A Jayhawk. (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Nicholas Larsen)
図 米国空軍パイロットの訓練機
出典:AIR EDUCATION AND TRAINING COMMAND(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像(加工しています)
プロペラ機T-6AテキサンIIによる操縦訓練
初等訓練機T-6AテキサンIIを使った操縦訓練を行います。

主な飛行訓練内容を列挙します。
- 無線通信(コンタクト)による飛行
- 計器飛行
- 低空飛行
- 編隊飛行
ジェット機T-38タロンによる操縦訓練
T-38タロンを使った戦闘機パイロットとしての技能訓練を行います。

訓練は、次の3段階に分かれています。
- 学科・地上訓練(Academic/Ground Training)
- 初等飛行訓練(Primary Flying Training )
- 上級飛行訓練(Advanced Flying Training)
これらの訓練には、次のことが含まれます。
- 高度な航空機の操縦に使われる原理と技術を学ぶ飛行訓練
- 飛行訓練に必要な地上訓練
- 将校(officer)としての指導力、資質、幹部としての軍用機パイロットの役割を学ぶ訓練
T-38タロン後継は、次世代の訓練機T-7Aレッドホークです。
初等飛行訓練:基本操縦
初等飛行訓練(Primary Flying Training )では、米国空軍の航空機を安全に操縦するために必要な基本的な操縦の基礎を学びます。
上級飛行訓練や将校としての基礎を作り上げます。
上級飛行訓練:任務による3コース
上級飛行訓練(Advanced Flying Training)は、3つのコースに分かれます。
輸送機や空中給油機のパイロットは、T-1Aジェイホークで訓練します。

爆撃機や戦闘機のパイロットは、T-38Cタロンで訓練します。

機種毎の訓練
上級飛行訓練を終えると、機種毎の訓練が行われます。
参考リンク
この記事は、主にAir Education and Training Command(米国空軍)の以下の記事を参考にしています。
民間機のパイロットハンドブックについては、以下の記事をご参照ください。
まとめ
最強の戦闘機や戦略爆撃機のパイロットになるためには、パイロットとしての適性に加え、段階的な訓練を受けることになります。
ここでは、米国空軍のパイロット訓練について、以下の項目で説明しました。
- 米国空軍のパイロットコース
- プロペラ機T-6AテキサンIIによる操縦訓練
- ジェット機T-38Cタロンによる操縦訓練
- 初等飛行訓練:基本操縦
- 上級飛行訓練:任務による3コース
- 機種毎の訓練
- 参考リンク