小型航空機の工学的知識の参考にFAAのパイロットハンドブック日本語版

航空機の基礎知識

米国での航空機開発について、ホンダジェットの本「ホンダジェット: 開発リーダーが語る30年の全軌跡」などによると、米国では航空機が輸送手段としてだけでなく、身近にある乗り物でもあるようです。

Bitly

20年以上も前の話になりますが、テキサスでエア・ショーを見る機会があり、のどかな雰囲気の中でデモ・フライトをする様々な航空機を見て、まさに文化の違いを感じたことを思い出します。

ここでは、航空機の基本的な構造や操縦について知る参考資料として、FAA(アメリカ連邦航空局)のパイロット・ハンドブックと、最新版ではありませんが国土交通省の日本語に訳された資料とあわせて紹介します。

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航空機の詳しい情報を知りたくなったら

このブログでは、軍用機をできるだけ写真を使い専門用語をつかわない様にブログ記事としてまとめています。

記事を作成していく過程では、私の知識や経験では分からないことやより深く知りたいことも出てきます。

航空機の性能に興味を持ち、飛行機の機能や構造に興味を持ち、詳しく知りたくなると、まずはGoogle先生に聞きますが、正確な情報やより詳しい情報となると専門書しかなく、なかなか手ごろなものがありません。

航空機は空中を飛びますので、運動と考えると次の様になります。

  • 航空機の位置を表す座標系は、6自由度(X、Y、Zの3軸と、X、Y、Z周りの回転の3軸)になります。
  • これが、空戦となれば、相手も同じ6自由度で動きますので、自機と相手機との相対的な関係はさらに複雑な関係式で表されます。

最高速度や機動性は、主翼と補助翼などの航空機としての基本機能に加え、飛行環境(高度や気象)にも影響を受けます。

航空機の性能を評価するためには、機体の速度などを知る(計測する)必要があります。

以下、航空機で疑問に思ったことを調べている中で知った、FAAのパイロット・ハンドブックいついて説明します。

航空機の速度はどうやって計測しているのだろう?

C-5Mスーパーギャラクシーについて調べていたところ、以下の写真を見つけました。

機首のオレンジ色の突起状の部分は、ノーズ・ブーム(nose boom)といわれ速度等を計測する機器が搭載されています。

C-5Mスーパーギャラクシー:初飛行

C-5 still going strong after 38 years A modernized version of the C-5 Galaxy, known as the C-5M, made its maiden flight at Dobbins Air Reserve Base, Ga., on Monday, June 19. Upgrades to the venerable airlifter include new, more powerful engines; a modern cockpit with a digital, all weather flight control system, a new communications suite and enhanced navigation and safety equipment. (Lockheed Martin photo)

図1 C-5Mスーパーギャラクシー:初飛行

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

また、航空機の速度を計測するセンサーについてGoogle先生に聞いてみると、

  • ピトー管で航空機の速度を計測できる。

ことが分かり、さらに調べていくと、なぜか、国土交通省のWebサイトに、飛行計器としてピトー管を使った速度計測システムについての説明資料を見つけたのでした。

【FAA発行Pilot’s Handbook of Aeronautical Knowledge】

(日本語訳) 第8章 飛行計器

航空:諸外国等の安全情報サイト - 国土交通省
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。

「(日本語訳) 第8章 飛行計器」のPDFを開いてい見ると、いかにもアメリカ的なイラストでピトー静的飛行計器の説明がありました。

  • 「諸外国等の安全情報サイト」のページにあります。

下図は、「(日本語訳) 第8章 飛行計器」の図8-1を抜粋したものです。

ピトー静的システムと計器

ピトー静的システムと計器

図2 ピトー静的システムと計器

出典:国土交通省のWebサイト「諸外国等の安全情報サイト」の「(日本語訳) 第8章 飛行計器」の「図8-1. ピトー静的システムと計器」より

そして、この日本語訳の資料の原文が、FAAが作成した操縦士向け教材「Pilot’s Handbook of Aeronautical Knowledge」(FAA-H-8083-25B 2016年版)を日本語に仮約したものであることを知りました。

なお、国土交通省のWebサイトには、この日本語仮訳について、以下の記載がありますので一部抜粋します。

【FAA発行Pilot’s Handbook of Aeronautical Knowledge】

FAAが作成した操縦士向け教材「Pilot’s Handbook of Aeronautical Knowledge」を日本語に仮訳しております。

本ハンドブックには、小型航空機操縦士の航空機工学に関する知識をはじめ、操縦士に不可欠な基本的知識の向上に有益と思われる内容が含まれており、日々の安全運航へ役立てていただけるよう日本語にしたものです。

FAAが作成した操縦士向け教材について調べる

FAAとは、FEDERAL AVIATION ADMINISTRATION、アメリカ連邦航空局のことです。

国土交通省で公開されている【FAA発行Pilot’s Handbook of Aeronautical Knowledge】は2016年版なので、FAAのWebサイトで最新版を確認たところ、FAA-H-8083-25Cとして2023年版が公開されていました。以下にリンクを貼っておきます。

https://www.faa.gov/regulations_policies/handbooks_manuals/aviation/phak

このハンドブックは、PDFで522ページありますが、内容が分かりやすい「Preface(はじめに)」の抜粋を以下に意訳します。

航空機の基本的な構造や飛行原理、航空機が飛ぶことについての基本的な知識などの参考にもなるのではないでしょうか。

  • パイロットに必要不可欠な基礎知識を提供するものである。
  • パイロットとしての訓練が進むにつれて必要となる幅広い知識を紹介している。
  • 民間航空に関連する連邦規則集を除き、パイロットの資格取得に適用される知識分野のほとんどを紹介している。
  • 初心者のパイロットだけでなく、より高度なパイロットを目指すためにも役立つものである。
はかせ
はかせ

イラストのタッチに独特なものを感じますが、仮訳とはいえ日本語化されているので、基本的なことを知るための助けになると思います。

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まとめ

米国での航空機開発について、ホンダジェットの本「ホンダジェット: 開発リーダーが語る30年の全軌跡」などによると、米国では航空機が輸送手段としてだけでなく、身近にある乗り物でもあるようです。

ここでは、航空機の基本的な構造や操縦について知る参考資料として、FAA(アメリカ連邦航空局)のパイロット・ハンドブックと、最新版ではありませんが国土交通省の日本語に訳された資料とあわせて、以下の項目で紹介しました。

  • 航空機の詳しい情報を知りたくなったら
  • 航空機の速度はどうやって計測しているのだろう?
  • FAAが作成した操縦士向け教材について調べる
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