2024年9月18日、USAF(米国空軍)のWEBサイトに開発中のB-21レイダーのニュースが新しい写真と共に公開されました。
B-21レイダーの開発は、地上試験、飛行試験など、順調に進んでいるようです。
ここでは、ニュースで公開された写真を使い、2024年9月現在のB-21レイダーの開発状況について説明します。
B-21レイダーとは
B-21レイダーは、第6世代のステルス機で全翼機の戦略爆撃機です。
米国の戦略爆撃機は、現在B-1Bランサー、B-2スピリット、B-52Hストラトフォートレスの3機種ですが、段階的にB-21レイダーとB-52Hストラトフォートレスの2機種の体制に移行していく計画となっています。
B-21レイダーは、B-1BランサーとB-2スピリットの後継機ということです。
下図は、2024年9月に新たに公開されたB-21レイダーの写真です。
A B-21 Raider conducts flight testing, which includes ground testing, taxiing and flying operations, at Edwards Air Force Base, Calif. The B-21 will be the backbone of the service’s future bomber force, and will possess the range, access and payload to penetrate the most highly-contested threat environments and hold any target around the globe at risk. The bomber platform is being developed through the Department of the Air Force Rapid Capabilities Office, which utilizes streamlined methods to develop, produce and field critical combat capabilities. (Courtesy photo)
図1 B-21レイダー
出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像
各戦略爆撃機の詳細は、以下の記事をご参照ください。
B-21レイダーの最新情報は、以下の記事をご参照ください。
2024年9月現在の開発状況
現在、B-21レイダーは、飛行試験が続けられています。
試験は順調な様子で、1週間に2回の飛行試験を行っています。
- B-21レイダーの開発では、毎日飛行することを設計目標としているようです。
また、G-1アセット(G-1 asset)とよばれる地上試験を完了しているようです。
G-1アセットとは、
- 地上での静止状態での試験
- 機体の構造的に完全性を評価する試験(構造的信頼性の評価)
のことで、
- デジタルモデルに対する信頼性の検証
- (B-21ではデジタルツインによる開発を採用しています。)
のためにも不可欠な試験です。
現在、B-21レイダーの疲労試験が進められています。
また、B-21レイダーの生産目標は、現在100機となっています。
B-21レイダーの運用基地
B-21レイダーの運用基地は、次の順となっています。
- Ellsworth Air Force Base
- Whiteman Air Force Base
- Dyess Air Force Base
写真で見るB-21レイダー:2024年9月現在
2024年9月に公開された試験中のB-21レイダーの写真とこれまでの写真から、B-21をみていきます。
2024年9月公開の写真
下図は、図1と同じ写真からB-21レイダーを拡大しています。
A B-21 Raider conducts flight testing, which includes ground testing, taxiing and flying operations, at Edwards Air Force Base, Calif. The B-21 will be the backbone of the service’s future bomber force, and will possess the range, access and payload to penetrate the most highly-contested threat environments and hold any target around the globe at risk. The bomber platform is being developed through the Department of the Air Force Rapid Capabilities Office, which utilizes streamlined methods to develop, produce and field critical combat capabilities. (Courtesy photo)
図2 B-21レイダー
出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像(加工しています)
補助インテーク
B-21レイダーには、B-2スピリット同様、補助インテーク(空気取入口)があります。
- 補助インテークは、離陸や着陸などの低速時に不足する空気を取り入れる役割があります。
- 補助インテークの扉は、B-21レイダーもB-2スピリットも開くだけで、積極的に空気を取り込む形にはなっていないようです。機体表面の空気が流れ込んでくるだけで十分な空気量を確保できるのだろうと考えています。
下図は、2024年9月公開の写真の補助インテーク付近を拡大したものです。
A B-21 Raider conducts flight testing, which includes ground testing, taxiing and flying operations, at Edwards Air Force Base, Calif. The B-21 will be the backbone of the service’s future bomber force, and will possess the range, access and payload to penetrate the most highly-contested threat environments and hold any target around the globe at risk. The bomber platform is being developed through the Department of the Air Force Rapid Capabilities Office, which utilizes streamlined methods to develop, produce and field critical combat capabilities. (Courtesy photo)
図3 B-21レイダー:補助インテーク(その1)
出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像(加工しています)
下図は、B-21レイダーの別の写真の補助インテーク付近を拡大したものです。
ノーズブームの詳細は、以下の記事をご参照ください。
B-21 Raider continues flight test, production A B-21 Raider conducts flight tests, which includes ground testing, taxiing, and flying operations, at Edwards Air Force Base, California, where it continues to make progress toward becoming the backbone of the U.S. Air Force bomber fleet. The B-21 will possess the range, access, and payload to penetrate the most highly-contested threat environments and hold any target around the globe at risk. The B-21 program is on track to deliver aircraft in the mid-2020s to Ellsworth Air Force Base, South Dakota, which will be the first B-21 main operating base and location for the B-21 formal training unit. (Courtesy photo)
図3 B-21レイダー:補助インテーク(その2)
出典:EDWARDS AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像(加工しています)
下図は、離陸するB-2スピリットの写真です。
That’s the Spirit! A B-2 Spirit assigned to the 509th Bomb Wing takes off from Joint Base Elmendorf-Richardson, Alaska, July 19, 2023, as part of a bomber Agile Combat Employment exercise. Bomber task force missions enable crews to maintain a high state of readiness and proficiency and validate their always-ready, global strike capability. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Patrick Sullivan)
図4 B-2スピリット:補助インテーク(その1)
出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像(加工しています)
下図は、着陸するB-2スピリットの写真です。
Operation Odyssey Dawn WHITEMAN AIR FORCE BASE A B-2 Stealth bomber returns from a mission March 20, 2011. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Kenny Holston)(Released)
図4 B-2スピリット:補助インテーク(その2)
出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像
参考リンク
USAF(米国空軍)のWebサイトのニュース記事のリンクです。
- DAF provides B-21 Raider program updates
まとめ
2024年9月18日、USAF(米国空軍)のWEBサイトに開発中のB-21レイダーのニュースが新しい写真と共に公開されました。
B-21レイダーの開発は、地上試験、飛行試験など、順調に進んでいるようです。
ここでは、2024年9月現在のB-21レイダーの開発状況について、以下の項目で説明しました。
- B-21レイダーとは
- 2024年9月現在の開発状況
- B-21レイダーの運用基地
- 写真で見るB-21レイダー:2024年9月現在
- 参考リンク