B-21レイダー(Raider)は、無尾翼の第6世代ステルス戦略爆撃機です。
米国の戦略爆撃機部隊は、現在のB-1Bランサー、B-2スピリット、B-52Hストラトフォートレスの3機種から、開発中のB-21レイダーとB-52Hストラトフォートレスの2機種体制に変わっていくようです。
さて、2022年12月、予定通り開発中のB-21レイダー(Raider)が一般公開されました。その後、新たな情報(写真や画像)はありませんが、現時点で分かっている特徴などをまとめました。
この記事は、新しい情報が分かりましたら、逐次追加・修正していきます。
B-21レイダー(Raider)について
B-21レイダーは、無尾翼の第6世代ステルス戦略爆撃機です。
通常弾と核弾頭の両方に対応可能な長距離攻撃型爆撃機(long-range strike bomber)です。
B-21レイダーは、将来的にB-21レイダーとB-52Hストラトフォートレスで構成される米国空軍の爆撃機部隊の基幹となります。

The B-21 Raider was unveiled to the public at a ceremony Dec. 2, 2022, in Palmdale, Calif. Designed to operate in tomorrow’s high-end threat environment, the B-21 will play a critical role in ensuring America’s enduring airpower capability. (U.S. Air Force photo)
図1 B-21 Raider:2022年12月初めての一般公開
出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像
B-21レイダーの特徴
B-21レイダーは、情報、監視、偵察、電子攻撃、通信、その他の能力を含めた、従来の長距離攻撃用システムに比べてより大きな(長距離攻撃用システムを含めた)ファミリーの構成要素となります。
核武装が可能で、有人または無人での運用に対応できるよう設計されています。
さらに、スタンドオフ弾と直接攻撃弾の幅広い組み合わせに対応することができます。
B-21レイダーの開発経緯
B-21レイダーの開発について説明します。
2015年10月:技術・製造開発契約発注
2015年10月、米国空軍は、ノースロップ・グラマンにB-21の技術・製造開発契約を発注しました。
B-21プログラムにおけるノースロップ・グラマンのパートナーには、以下の会社が含まれます。
- プラット&ホイットニー(Pratt & Whitney)社
- ジャニッキ・インダストリーズ( Janicki Industries)社
- コリンズ・エアロスペース(Collins Aerospace)社
- GKNエアロスペース(GKN Aerospace)社
- BAEシステムズ(BAE Systems)社
- スピリット・エアロシステムズ(Spirit Aerosystems)社
2018年:ウェポン・システム・クリティカル・デザイン・レビュー
2018年、B-21プログラムは、設計の成熟度、安定性、リスクに関するプログラム全体の包括的評価であるウェポン・システム・クリティカル・デザイン・レビュー(the weapon systems Critical Design Review)の実施に成功しました。
2019年:B-21の主要運用基地について発表
2019年、米国空軍は戦略的基地化プロセスを完了し、B-21の主要運用基地に望ましい場所として以下の空軍基地を発表しました。
- エルズワース空軍基地(Ellsworth Air Force Base)
- ホワイトマン空軍基地(Whiteman Air Force Base)
- ダイス空軍基地(Dyess Air Force Base)
2021年:最初のB-21主要運用基地と正式訓練部隊所在地指名
国家環境政策法(the National Environmental Policy Act)およびその他の規制プロセスで義務付けられている環境影響評価書のプロセス(the Environmental Impact Statement process)を完了した後、2021年に米国空軍はエルスワース空軍基地(Ellsworth Air Force Base)を最初のB-21主要運用基地および正式訓練部隊の所在地として指名しました。
エドワーズ空軍基地(Edwards Air Force Base)の空軍試験センター(The Air Force Test Center)がB-21複合試験部隊(Combined Test Force)のホストとなります。
ティンカー空軍基地(Tinker Air Force Base)の空軍維持センター(the Air Force Sustainment Center)がデポ計画の拠点となります。
2022年12月:B-21レイダー公開
2022年12月、B-21レイダーが初めて一般公開されました。
一般公開されたB-21レイダーは、現在開発中の6機のうちの1機です。
機体形状はB-2スピリットをリファインした感じですが、ノースロップ・グラマン社のWebサイトの記事では、「第6世代(Sixth Generation)」として紹介されており、第5世代の代表的なステルス機F-22ラプターよりもさらなる性能向上が図られているようです。
公開された情報では、B-2スピリットの様な形状ですが、中身は全く別物になっているようです。
B-21レイダーの設計・開発では、オープン・システム・アーキテクチャで設計され、フル・デジタル・モデルが使われているとのことなので、製造を含めてこれからのモノづくりのコンセプトが実際に適用されていると考えています。
参考リンク
この記事は、主に以下のWebサイトの情報をまとめています。
英文サイトを和訳していることと、私の理解した内容なので正確な情報は、以下の情報をご参照ください。
- USAF(米国空軍)のB-21レイダー(Raider)の紹介ページ
まとめ
B-21レイダー(Raider)は、無尾翼の第6世代ステルス戦略爆撃機です。
米国の戦略爆撃機部隊は、現在のB-1Bランサー、B-2スプリット、B-52Hストラトフォートレスの3機種から、開発中のB-21レイダーとB-52Hストラトフォートレスの2機種体制に変わっていくようです。
2022年12月、予定通り開発中のB-21レイダー(Raider)が一般公開されました。その後、新たな情報(写真や画像)はありませんが、現時点で分かっていることについて、以下の項目で説明しました。
- B-21レイダー(Raider)について
- B-21レイダーの特徴
- B-21レイダーの開発経緯
- 2015年10月:技術・製造開発契約発注
- 2018年:ウェポン・システム・クリティカル・デザイン・レビュー
- 2019年:B-21の主要運用基地について発表
- 2021年:最初のB-21主要運用基地と正式訓練部隊所在地指名
- 2022年12月:B-21レイダー公開
- 参考リンク