B-2スピリット:ステルス・ボンバー全翼機の戦略爆撃機

B-2スピリット 戦略爆撃機
出典:USAF(米国空軍)のWebサイトからの画像(加工しています)

B-2スピリット(Spirit)は、全翼機でステルスの戦略爆撃機です。

B-1Bランサーは、TVやネットニュースでも映像を見かけますが、B-2スピリットの映像は見たことがありません。

米国の戦略爆撃機部隊は、現在のB-1Bランサー、B-2スピリット、B-52Hストラトフォートレスの3機種から、開発中のB-21レイダーとB-52Hストラトフォートレスの2機種体制に変わっていくようです。

なお、現在開発中のB-21レイダーは、このB-2スプリットをさらに発展させた機体のようです。

ここでは、全翼機のステルス・ボンバーB-2スピリットについて、主に米国空軍のWebサイトからの情報を元に説明します。

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全翼機の戦略爆撃機B-2スピリットとは

B-2スピリット(Spirit)は、全翼機の戦略爆撃機です。

その形状からステルス性にも優れていそうなことが分かります。

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

B-2 radar modernization program contract awarded Air Force officials have awarded a contract to Northrop Grumman Corporation to provide advanced state-of-the-art radar components as part of a radar modernization program for the for the B-2 Spirit bomber. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Bennie J. Davis III)

図1 B-2スピリット(Spirit)

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

B-2スピリットの特徴

B-2スピリットは、米国空軍の保有する通常弾と核弾頭の両方を運搬できるマルチロール爆撃機です。

全翼機という特徴的な外観だけでなく、技術的に劇的な飛躍を遂げた爆撃機であり、米国の爆撃機近代化計画における主要なマイルストーンとなっています。

B-2スピリットは、有人爆撃機に特有の柔軟性と有効性を備え、21世紀になっても強力で効果的な抑止力と戦闘力を発揮しています。

例えば、視認性の低いステルス特性により、発見されることなく敵の防御網を突破し、幾重にも守られた目標に近づくことができます。

  • B-2スピリットは、パイロットとミッションコマンダーの2人乗りです。
  • B-1Bランサーは4人乗り、B-52ストラトフォートレスは5人乗りです。

見つかりにくく高高度での自由度が高い

B-2スピリットの特徴の1つは、巨大な機体サイズからは想像できない程の低観測性(low observability)です。

全翼機による、高い空力性能と大きなペイロード(搭載重量)により、高高度において自由に行動できるため、長大な航続距離(無給油での航続距離は、約9,600km)と相まって、搭載している様々なセンサーの範囲(視野)を広げることができます。

B-2スピリットの低観測性(見つかりにくさ)は、赤外線、音響、電磁、視覚、レーダーの各信号(signatures)が低減されていることによるものです。この低観測性により、B-2スピリットが探知、追跡、そして、交戦することを困難にしています。

また、B-2スピリットに使われている複合材料、特殊コーティング、全翼機(飛行翼)のデザインなどは、ステルス性を高めることに役立っています。

はかせ
はかせ

これらの技術は、当然のことながら機密扱いとなっていますので、実際どうなっているかは推測するしかありません。

見つかりにくいというと、レーダーを連想しますが、例えレーダーなどでB-2スピリットを発見できたとしても、迎撃する戦闘機やミサイルがB-2スピリットを捉えることができなければ、事実上無敵状態になるということかと思います。

高い空力特性による航続距離

B-2スピリットの無給油での航続距離は、約9,600kmです。

もちろん、空中給油も可能なので、航続距離による制限は事実上ないと考えることもできます。

  • 地球の円周が約40,000km
  • 地球の反対側までなら20,000km

ちなみに、B-2スピリットの諸元において、航続距離は「大陸間(Intercontinental)」となっています。

大量の武器を機体内に搭載

全翼機の機体により、ステルス性を犠牲にすることなく、様々な種類の大量の武器を機体内に搭載できます。

写真で見るB-2スピリット

B-2スピリットをUSAF(米国空軍)のWebサイトの写真を使い説明します。

機体形状:戦略爆撃機との比較

下図は、戦略爆撃機、B-1Bランサー、B-2スピリット、B-52Hストラトフォートレスの写真です。

可変翼のB-1Bランサー(写真下)、大きいけれどオーソドックスなB-52Hストラトフォートレス(写真右)に比べ、全翼機のB-2スピリット(写真左上)の機体形状は独特です。

3種の戦略爆撃機:B-2、B-1BとB-52H

Putting on a show A B-1 Lancer, B-2 Spirit and B-52 Stratofortress perform a flyover during the 2017 Barksdale Air Force Base air show, May 6, 2017. Air Force pilots flew their combat-capable airframes in honor of the 8th Air Force, as Airmen and their families celebrated the unit’s storied heritage which dates back to 1942. (U.S. Air Force photo/Senior Airman Curt Beach)

図2 3種の戦略爆撃機:B-2、B-1BとB-52H

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

機体の大きさ:戦闘機との比較

下図は、ほぼ真上から見た駐機中のB-2スピリット、左側がF-18ホーネット、右側の2機がF-16ファイティング・ファルコンです。

戦闘機と比べるとB-2スピリットの大きさがが分かりやすいと思います。

戦闘機とB-2スピリット:F-18とF-16

Joint training at Valiant Shield A B-2 Spirit, two F-16 Fighting Falcons and an F-18 Hornet sit on the flightline at Andersen Air Force Base, Guam, for Exercise Valiant Shield on Thursday, June 22. The exercise, which concludes June 23, focuses on integrated joint training in a variety of mission scenarios. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Bennie J. Davis III)

図3 戦闘機とB-2スピリット:F-18とF-16

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

機体形状

下図は、1989年のB-2スピリット初飛行時のものです。

全翼機であり、ステルス機特有のデザインが各所に見られます。

  • 機体(主翼)に埋め込まれたような左右の空気取入口
  • 機体下側がカバーされているエンジンの排気口
  • 主翼後端のギザギザの形状
B-2スピリット:上から

B-2 first flight The B-2 stealth bomber completed its first flight at Edwards Air Force Base, Calif., July 17, 1989. (Courtesy photo)

図4-1 B-2スピリット:上から

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下図は、まるでF-35AライトニングIIを背負っているように見えるB-2スピリットです。

  • 薄い機体形状や機体表面に突起がなく滑らかなことを確認できます。
B-2スピリット:横から

Bomber Task Force Europe operations A U.S. Air Force B-2A Spirit assigned to the 509th Bomb Wing at Whiteman Air Force Base, Mo., and a Royal Netherlands Air Force F-35A Lightning II conduct aerial operations in support of Bomber Task Force Europe 20-2 over the North Sea, March 18, 2020. Bomber missions provide opportunities to train and work with NATO allies and theater partners in combined and joint operations and exercises. (U.S. Air Force photo by Master Sgt. Matthew Plew)

図4-2 B-2スピリット:横から

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

下図は、正面ではありませんが、B-2スピリットは全翼機であり主翼を境に上側、下側とも極力薄いデザインとなっています。

主翼を基準にすると、飛び出ている部分はありますが、空気取入口をある程度主翼に埋め込んだり、機体下面もできるだけ滑らかな形状となっています。

  • 機体上側で主翼から飛び出ているのは、操縦席とエンジンの空気取入口
  • 機体下側で主翼から飛び出ているのは、胴体中央部のウェポンベイ
B-2スピリット:前から

B-2 Spirit conducts low approach over RAF Fairford A B-2 Spirit assigned to the 509th Bomb Wing flies over RAF Fairford, United Kingdom, Aug. 25, 2021. The B-2 flyover was part of a Bomber Task Force mission in which aircraft conduct theater and flight training across Europe and Africa. Strategic bomber missions enable crews to maintain a high state of readiness and proficiency, and validate an always-ready global strike capability. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Eugene Oliver)

図4-3 B-2スピリット:前から

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下図から、B-2スピリットの平面的な機体形状がよく分かります。

  • ステルス機特有の左右対称、主翼両端の形状が分かります。
  • 様々な弾薬類は機体内に格納されています。
  • エンジン排気口が機体下面からは直接見えなくなっています。
B-2スピリット:下から

Scott AFB air show An aircrew flies a B-2 Spirit over the airfield as part of an aerial demonstration for the 2010 Airpower Over the Midwest Air Show Sept. 11, 2010, at Scott Air Force Base, Ill. The B-2 is assigned to Whiteman AFB, Mo. (U.S. Air Force photo/Master Sgt. Scott T. Sturkol)

図4-4 B-2スピリット:下から(その1)

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

下図に、下面の写真をもう1枚紹介します。

B-2スピリット:下から(その2)

That’s the Spirit! A B-2 Spirit makes a low pass flyover as part of the Warriors over the Wasatch airshow at Hill Air Force Base, Utah, June 29, 2024. The 2024 Warriors over the Wasatch airshow was centered around the “Breaking Barriers Together” theme, celebrating the relationship between Hill AFB and the local community. The B-2, the predecessor to the new B-21 Raider, has been the U.S. Air Force’s premiere stealth bomber for more than 20 years. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Jack Rodgers)

図4-4 B-2スピリット:下から(その2)

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

下図から、B-2スピリットのエンジン部分が、胴体中央から主翼へと滑らかにつながる形状となっていることが分かります。

  • 主翼端の補助翼を確認できます。
B-2スピリット:後方から

Air Force modernization takes B-2 to North Pole A B-2 Spirit flies to the North Pole Oct. 27, 2011, on a test mission from Edwards Air Force Base, Calif. The polar flight helped ensure that the B-2 maintains its global combat power capability in all environments with new computers for future growth and sustained contributions to the greater Air Force mission. (U.S. Air Force photo/Bobbi Zapka)

図4-5 B-2スピリット:後方から

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

胴体と主翼が一体化した機首

B-2スピリットの機首は、胴体と主翼が一体となった形状を確認できます。

  • 主翼前縁のシャープな形状が分かります。
  • 操縦席や主翼表面に突起物がない形状であることを確認できます。

下図の空気取入口後方に見えるハッチは、離着陸時に開いている様なので低速時の補助的な空気取入口ではないかと推測しています。

B-2スピリット:機首

B-2 crews prepare for mission A B-2 Spirit returns to Whiteman Air Force Base, Mo., March 20, 2011, after a mission. (U.S. Air Force photo/Senior Airman Kenny Holston)

図5 B-2スピリット:機首

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

主翼に埋め込まれた空気取入口

B-2スピリットの主翼に埋め込められた形状の空気取入口を確認できます。

  • 空気取入口の奥にエンジン(左右各2基)があります。
  • 空気取入口の形状もステルスを意識したものとなっています。
B-2スピリット:空気取入口

190829-F-YC884-0619 A 509th Bomb Wing B-2 Spirit flies over the United Kingdom during the Bomber Task Force training exercise, Aug. 29, 2019. Training with partners, allied nations and other U.S. Air Force units contributes to global readiness and strengthens enduring and strategic relationships. (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Jordan Castelan)

図6 B-2スピリット:空気取入口(その1)

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はかせ
はかせ

コーションマークなどガンプラみたいです。実際は逆に、コーションマークを付けることで、ガンプラがリアルに見えるということになります。

下図から、空気取入口全体の形状が分かります。

B-2スピリット:空気取入口

133rd ARS KC-46 refuels 509th BW B-2 A B-2 Spirit assigned to the 509th Bomb Wing, Whiteman Air Force Base, Miss, flies alongside a KC-46A Pegasus assigned to the 133rd Aerial Refueling Squadron, Pease Air Force Base, NH, during RED FLAG-Alaska 23-3 over the Joint Pacific-Alaska Range Complex, Alaska Aug. 15, 2023. The JPARC provides more than 77,000 square miles of airspace, one conventional bombing range, and two tactical bombing ranges containing 510 different types of targets and 45 threat simulators, both manned and unmanned. (U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Andrew Britten)

図6 B-2スピリット:空気取入口(その2)

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像(加工しています。)

離陸

B-2スピリットが離陸する写真です。

はかせ
はかせ

離着陸は、補助翼含めコンピュータ制御なのでしょう。

B-2スピリット:離陸

Barksdale bombers arrive at Andersen A B-2 Spirit takes off from Andersen Air Force Base, Guam, as part of the redeployment June 2 to Whiteman Air Force Base, Mo. B-52 Stratofortresses replaced the B-2s as part of the continuous bomber presence in the Western Pacific. (U.S. Air Force photo/Senior Airman Christopher Bush)

図7 B-2スピリット:離陸(その1)

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

2023年9月、新しい写真を見つけたので追加します。

はかせ
はかせ

全翼機の離陸は、いつかこの目で見たいものです。

B-2スピリット:離陸(その2)

That’s the Spirit A B-2 Spirit assigned to Whiteman Air Force Base, Mo., takes off after hot pit refueling at Orland Air Base, Brekstad, Norway, Aug. 29, 2023. The B-2s are currently operating out of Naval Air Station Keflavik, Iceland, for Bomber Task Force Europe 23-4. The BTF allows aircrews to forward posture strategic bombers within the European theater, enabling integration with NATO allies and partners to advance the ability of the allies to operate as a cohesive force. (U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Heather Salazar)

図7 B-2スピリット:離陸(その2)

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着陸

B-2スピリットが着陸する写真です。

B-2スピリット:着陸

Operation Odyssey Dawn WHITEMAN AIR FORCE BASE A B-2 Stealth bomber returns from a mission March 20, 2011. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Kenny Holston)(Released)

図8 B-2スピリット:着陸

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

空中給油

KC-135ストラトタンカーから空中給油を受けている写真です。

  • 操縦席後方の給油口は給油時にのみ出てきて、通常はフラットになっています。
B-2スピリット:空中給油

Deter and Assure; 100th ARW increases bomber’s global reach A KC-135 Stratotanker assigned to the 100th Air Refueling Wing Royal Air Force Mildenhall, England, prepares to transfer fuel to a B-2 Spirit from Whiteman Air Force Base, Mo., off the coast of Spain, June 13, 2017. Two B-2s deployed to the U.K. to participate in theater bomber assurance and deterrence operations. Bomber deployments enhance the readiness and training necessary to respond to any contingency or challenge across the globe. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Micaiah Anthony)

図9 B-2スピリット:空中給油

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

ウェポンベイ

B-2スピリットの巨大なウェポンベイの扉を確認できます。

白い階段は、搭乗用かと思います。

B-2スピリット:ウェポンベイ

Whiteman B-2s deployed for Koa Lightning A B-2 Spirit deployed from Whiteman Air Force Base, Mo., began flying operations Oct. 16 at Andersen AFB, Guam. The B-2 is a multi-mission capable, state-of-the-art platform equipped with low-observable stealth technology. The stealth bomber Airmen deployed here will be fully integrated with the rest of the 36th Wing to take full advantage of integrated training opportunities. (U.S. Air Force photo/Senior Airman Brian Kimball)

図10 B-2スピリット:ウェポンベイ

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弾薬類の投下(JDAM)

B-2スピリットからJDAMを投下しています。

  • 巨大なウェポンベイの扉を確認できます。
B-2スピリット:JDAM投下

B-2 bomber HILL AIR FORCE BASE, Utah — A B-2 Spirit drops 32 inert Joint Direct Attack Munitions Aug. 27 at the Utah Testing and Training Range here.

図11 B-2スピリット:JDAM投下

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ハンガー(格納庫)

B-2のハンガー(格納庫)から出てくるところです。

  • 胴体の形状と胴体から滑らかにつながった主翼形状が分かります。
  • 主役の扉もなかなか巨大です。
B-2スピリット:ハンガー(格納庫)

Stealth bomber Lt. Gen. Michael A. Loh, Air National Guard director, taxis a B-2 Spirit out of its hangar at Whiteman Air Force Base, Mo., May 14, 2022. Loh visited Whiteman AFB to observe training and operations involving total force integration and combat readiness. (U.S. Air National Guard photo by Airman 1st Class Kelly C. Ferguson)

図12 B-2スピリット:ハンガー(格納庫)

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ステルス思想の違い:F-117と比べて

B-2スピリットと世界初のステルス機F-117ナイトホークです。

世界初のステルス機F-117ホークとは、機体の大きさだけでなく形状も大きく異なります。

直線と三角形を基調としたF-117と曲面を中心に構成されたB-2スピリット、同じステルス性でも設計思想が大きく変わっていることが分かります。

ステルス機の設計思想:F-117とB-2

Stealthy trio FILE PHOTO — A B-2 Spirit bomber is followed by two F-117 Nighthawks during a mission. The B-2 is a multi-role bomber capable of delivering both conventional and nuclear munitions. A dramatic leap forward in technology, the bomber represents a major milestone in the U.S. bomber modernization program. The B-2 brings massive firepower to bear, in a short time, anywhere on the globe through previously impenetrable defenses. (U.S. Air Force photo)

図13 ステルス機の設計思想:F-117とB-2

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

B-2スピリットの歴史

B-2スピリットの開発や運用について説明します。

1988年11月:初号機公開

カリフォルニア州パームデールにある空軍プラント42の格納庫から運び出されたB-2スピリット初号機が公開されました。

1989年7月:初飛行

カリフォルニア州エドワーズ空軍基地にある空軍飛行試験センターのB-2複合試験部隊は、B-2スピリットのエンジニアリング、製造、開発用航空機の飛行試験を担当しています。

1993年12月:初号機納入

初号機「スピリット・オブ・ミズーリ」は1993年12月17日に納入されました。

ミズーリ州ホワイトマン空軍基地は、B-2スピリットの唯一の運用基地です。

1997年7月:初期運用能力

1997年7月、初期運用能力を獲得しました。

2003年12月:運用能力獲得

同機は2003年12月に完全な運用能力ステータスを得ました。

2023年現在運用中

2009年2月、空軍の新しい司令部である空軍グローバルストライク司令部が、空軍戦闘司令部からB-2の責任を引き継いでいます。

B-2スピリットの諸元

米国空軍のWebサイトの情報から主要諸元を下表に示します。

全長 20.9 m
全高 5.1 m
全幅 52.12 m
エンジン
  • GE製F118-GE-100
  • アフターバーナー付ターボファンエンジン
  • 推力:7,847 kgf以上 (1基当たり)
  • 推力:31,388 kgf以上 (4基)
重量 72,575 kg
最大離陸重量 152,634 kg
最大搭載重量 18,144 kg(ペイロード)
速度 亜音速(マッハ0.8以下)
高度 15,240 m以上
航続距離 Intercontinental(大陸間)
燃料搭載容量 75,750 kg
武装 通常兵器又は核兵器
乗員 2名
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参考リンク

この記事は、主に以下のWebサイトの情報をまとめています。

英文サイトを和訳していることと、私の理解した内容なので正確な情報は、以下の情報をご参照ください。

  • USAF(米国空軍)のB-2スピリット(Spirit)の紹介ページ

まとめ

B-2スピリット(Spirit)は、全翼機でステルスの戦略爆撃機です。

米国の戦略爆撃機部隊は、現在開発中のB-21レイダーとB-52Hストラトフォートレスの2機種体制に変わっていくようです。

ここでは、全翼機のステルス・ボンバーB-2スピリットについて、主に米国空軍のWebサイトからの情報を元に以下の項目で説明しました。

  • 全翼機の戦略爆撃機B-2スピリットとは
    • B-2スピリットの特徴
    • 見つかりにくく高高度での自由度が高い
    • 高い空力特性による航続距離
    • 大量の武器を機体内に搭載
  • 写真で見るB-2スピリット
    • 機体形状:戦略爆撃機との比較
    • 機体の大きさ:戦闘機との比較
    • 機体形状
    • 胴体と主翼が一体化した機首
    • 主翼に埋め込まれた空気取入口
    • 離陸
    • 着陸
    • 空中給油
    • ウェポンベイ
    • 弾薬類の投下(JDAM)
    • ハンガー(格納庫)
    • ステルス思想の違い:F-117と比べて
  • B-2スピリットの歴史
    • 1988年11月:初号機公開
    • 1989年7月:初飛行
    • 1993年12月:初号機納入
    • 1997年7月:初期運用能力
    • 2003年12月:運用能力獲得
    • 2023年現在運用中
  • B-1Bランサーの諸元
  • 参考リンク
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