2023年12月20日、F-15EXIIイーグルIIの量産3号機(EX3)と4号機(EX4)が、エグリン空軍基地に到着しました。
胴体前部が再設計されるなど、最初の2機と変更になっている部分もありますが、これは、開発方法による計画的な変更のようです。
ここでは、EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイトのニュースから、F-15EXイーグルII3号機と4号機についてまとめています。
F-15EXIIイーグルII量産3号機と4号機到着
2023年12月20日、F-15EXイーグルIIの量産3号機(EX3)に続き4号機(EX4)も、エグリン空軍基地(EGLIN AIR FORCE BASE)着陸しました。
- 米国空軍に納入されたF-15EXイーグルIIは合計4機となり、すべてエグリン空軍基地の所属となっています。
下図は、エグリン空軍基地に到着したF-15EXイーグルIIと、おそらくエスコートをした初号機の写真です。
- 気体の汚れ具合から手前が、おそらく初号機、奥の2機が、3・4号機です。
図1-1 F-15EXイーグルII:到着した3・4号機
出典:EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイトからの画像
下図は、F-15EXイーグルIIの量産4号機(EX4)の写真です。
図1-2 F-15EXイーグルII:4号機
出典:EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイトからの画像
2021年3月にF-15EXイーグルII初号機納入から、今回の3・4号機納入まではだいぶ時間がかかった印象があります。
推測になりますが、様々な試験そのものは順調というか想定内で進んでいったようですが、製造上のトラブルによる遅延などもあり、何とか2023年内に米国空軍が受領することができたようです。
なお、今後さらに2機のF-15EXイーグルIIを受領予定となっています。
F-15EXIIイーグルII量産3・4号機の変更点
F-15EXIIイーグルII量産3・4号機には、初号機と2号機にはなかった機能や性能を試験する機体となっています。
初号機と2号機にはなかった、
- コックピット圧力モニター(cockpit pressure monitor)
- 警告システム(warning system)
が追加されています。
また、
- 衛星通信用の超高周波アンテナ(ultra-high frequency antenna for satellite communications)
も搭載されています。
写真で見る米国空軍用に再設計された前部胴体
F-15EXIIイーグルII量産3・4号機の全部胴体形状(feature a forward fuselage)は、米国空軍向けに特別に再設計されたものとなっています。
F-15EXイーグルII量産3・4号機(new)と1・2号機(original)とを、写真で比較します。
- ここでは、初号機と2号機をオリジナル、3・4号機を新型と呼びます。
下図は、F-15EXイーグルIIの正面の写真です。
- 下図上側がオリジナル(初号機)、下側が新型(4号機)です。
胴体前部の形状が変更されているようなのですが、私には分かりません。大幅な形状変更ではないと思われるのですが。
図2-1 F-15EXイーグルII:前方から
出典:EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイトからの画像(加工しています)
下図は、F-15EXイーグルIIの正面の写真です。
- 下図左側がオリジナル(初号機、2号機)、右側が新型(3・4号機)です。
全く同じアングルではないので比較も難しいのですが、私には違いが分かりません。
図2-2 F-15EXイーグルII:正面から
出典:EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイトからの画像(加工しています)
下図は、F-15EXイーグルIIの側面の写真です。
- 下図上側がオリジナル(初号機)、下側が新型(3号機)です。
この写真でも外観上の違いが、私には分かりません。
図2-3 F-15EXイーグルII:側方から
出典:EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイトからの画像(加工しています)
開発プラットフォームとしてのF-15EXの位置づけと今後の計画
F-15EXは、開発プラットフォーム(test platform)は、
- 開発テスト(developmental test)と運用テスト(operational test)を組み合わせた統合テスト・アプローチ(integrated test approach)
により、F-15EXに加え、他の戦闘機の開発も加速させるものとなっています。
通常の開発プロセスでは、開発テスト完了後に運用テストに進みます。
- 開発テストでは、設計で期待する性能が出ることを確認します。
- 運用テストでは、実際に使われることを想定したテストを行い、期待する性能が出ているか、問題がないかを確認します。
統合テスト・アプローチでは、開発テストがすべて完了する前に、実施可能な運用テストを組み合わせることで、開発テストと運用テストを並行して実施します。
CAEの利用による開発のフロントローディングよりも、さらに一歩踏み込んだ開発方式だと考えています。統合テスト・アプローチを採用することで、トータルの開発期間を短縮することが可能となります。
開発のフロントローディングについては、以下の記事をご参照ください。
また、他の戦闘機の開発にも良い影響を与えているということは、他の戦闘機でも使う共通のシステムについて、F-15EXでのテスト結果を反映できるということです。
これまでのF-15EXイーグルIIの試験については、以下の記事をご参照ください。
参考リンク
EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイトのニュース記事のリンクです。
まとめ
2023年12月20日、F-15EXIIイーグルIIの量産3号機(EX3)と4号機(EX4)が、エグリン空軍基地に到着しました。最初の2機と変更になっている部分もありますが、これは、開発方法による計画的な変更のようです。
ここでは、EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイトのニュースから、F-15EXイーグルII3号機と4号機について以下の項目で説明しました。
- F-15EXIIイーグルII量産3号機と4号機到着
- F-15EXIIイーグルII量産3・4号機の変更点
- 写真で見る米国空軍用に再設計された前部胴体
- 開発プラットフォームとしてのF-15EXの位置づけと今後の計画
- 参考リンク