F-22ラプターの後継F-47は次世代航空優勢(NGAD)プラットフォーム

F-22ラプターの後継F-47は次世代航空優勢(NGAD)プラットフォーム 最新の開発情報
出典:USAF(米国空軍)のWebサイトからの画像(加工しています)

2025年3月、最強のステルス機F-22ラプターの後継機がF-47になることが発表されました。

ボーイング社による第6世代戦闘機の開発となり、制空権(air superiority)を獲得するために、次世代航空優勢(NGAD)プラットフォームを技術・製造開発(EMD)を進め、F-47の実現につながります。

ここでは、現時点の公開情報を主に、第5世代ステルス機F-22ラプターの後継機F-47について説明します。

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第5世代ステルス機F-22ラプターとは

F-22ラプターは、ロッキード・マーチン社とボーイング社が共同開発した第5世代のステルス戦闘機です。

下図は、F-22ラプターです。

  • 初飛行は1997年、量産開始は2001年、初期運用能力(IOC)獲得は2005年ですが、今でも最強のステルス機です。
F-22ラプター

250107-F-FT378-9772 Training mission An F-22 Raptor assigned to the 433rd Weapons Squadron, U.S. Air Force Weapons School, takes off for a training mission at Nellis Air Force Base, Nev., Jan 7, 2025. The USAFWS teaches graduate-level instructor courses that provide advanced training in weapons and tactics employment to officers and enlisted specialists of the combat and mobility air forces. (U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Michael Sanders)

図1 F-22ラプター

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

構想から開発までが長く、F-117ナイトホークの登場などもありましたが、F-15Eストライクイーグルが航空優勢(制空権)を獲得する最強の戦闘機とすれば、F-22ラプターはより広い範囲の戦域全体を支配するAir Dominance(航空支配)を実現します。

はかせ
はかせ

F-15EXイーグルIIとは違う意味で最強の戦闘機だと思います。

F-22ラプターは、以下の要求を高次元でバランスよく組み合わせ、戦闘機としての優れたパフォーマンスを備えると共に、戦域の航空支配(Air Dominance)を実現します。

  • 機体性能:ステルス(レーダーや赤外線探知機からの隠密性)、スピード、敏捷性
  • 情報処理:状況認識(自機及びそれ以外の情報ネットワーク)
  • 搭載武装:長距離の空対空ミサイルや空対地の武器

F-22ラプターについては、以下の記事をご参照ください。

第6世代ステルス機F-47のイメージ

2025年3月に発表されたF-22ラプターの後継機となるF-47について、現時点での情報から説明します。

なぜ「F-47」なのかは別にして、「F」ということから戦闘機です。

下図は、F-47発表で公開されたF-47のイメージの1つです。

  • 突然現れるステルス戦闘機をイメージさせる画像だと思います。
F-47のイメージ画像(その1)

250321-F-AF000-1513 Shown is a graphical artist rendering of the Next Generation Air Dominance (NGAD) Platform. The rendering highlights the Air Force’s sixth generation fighter, the F-47. The NGAD Platform will bring lethal, next-generation technologies to ensure air superiority for the Joint Force in any conflict. (U.S. Air Force graphic)

図2 F-47のイメージ画像(その1)

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

2025年3月の契約内容について

2025年3月に発表された米国空軍省とボーイング社との契約内容は、

制空権(air superiority)を獲得するために、

次世代航空優勢(NGAD)プラットフォームを技術・製造開発(EMD)すること

です。

  • NGAD:Next Generation Air Dominance
  • EMD:Engineering and Manufacturing

今回契約されたNGADの技術・製造開発は、世界初の第6世代戦闘機であるF-47の開発につながるものです。

はかせ
はかせ

第6世代といえば、B-21レイダーもそうですが、こちらは戦略爆撃機です。

次世代のステルス機F-47に求められる役割は、

制空権を維持するために

最も有能で費用対効果(コストパフォーマンス)の高いソリューション

となります。

まだ実機はないので現時点でのF-47は、

  • 戦闘機としてこれまでの戦闘機に比べ、スピード、運動性、搭載可能な装備や積載量に優れるものとなる。
  • 現在の主力制空戦闘機であるF-22ラプターよりも、ステルス性や航続距離に優れる。
  • 協調戦闘機CCA(Collaborative Combat Aircraft)と共に行動する能力がある。
  • すでに長い期間にわたって研究されている。
  • コストパフォーマンスは、これまでよりもよくなる。

といった戦闘機になります。

イメージ画像で見るF-47の特徴

下図は、F-47発表で公開されたF-47のもう1つイメージです。

このイメージ画像からは、

  • ステルス機らしい機体上下の接合部分の形状である。
  • カナードを備える。
  • 主翼が上反角をもつ(主翼が水平より上向きに取り付けられている)。

ことがわかります。

F-47のイメージ画像(その2)

250321-F-AF000-1341 Shown is a graphical artist rendering of the Next Generation Air Dominance (NGAD) Platform. The rendering highlights the Air Force’s sixth generation fighter, the F-47. The NGAD Platform will bring lethal, next-generation technologies to ensure air superiority for the Joint Force in any conflict. (U.S. Air Force graphic)

図2 F-47のイメージ画像(その2)

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

第6世代ステルス機F-47の開発プロセス

2025年3月の発表では、トランプ大統領の発言によれば、「うまくいけば、4年以内に初飛行」となるようです。

4年以内の初飛行を実現できるだろうと言える理由としては、

  • これまでの戦闘機開発プログラムに比べ、デジタル・ツインなどの合理化や開発期間の短縮化の恩恵を受けることができること
  • これまでの5年間で、X-planesとしてF-47の基礎となる研究開発を進めてきていること

があげられます。

具体的には、米国空軍(USAF)とDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency)が協力して、X-planes(実験機)を飛行させ、ステルス性、航続距離、自律システム(autonomous systems)の研究開発を進めながら、運用コンセプトを研究してきました。

はかせ
はかせ

2025年3月に公開されたイメージが、何となくこれまでに見たことがあるような気がするのは、戦闘機のステルス性を追求していくとある程度決まった形になっていくためかもしれません。

参考リンク

この記事は、主に以下のWebサイトの情報をまとめています。

英文サイトを和訳していることと、私の理解した内容なので正確な情報は、以下の情報をご参照ください。

  • Air Force Awards Contract for Next Generation Air Dominance (NGAD) Platform, F-47
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まとめ

2025年3月、最強のステルス機F-22ラプターの後継機がF-47になることが発表されました。

ボーイング社による第6世代戦闘機の開発となり、制空権(air superiority)を獲得するために、次世代航空優勢(NGAD)プラットフォームを技術・製造開発(EMD)を進め、F-47の実現につながります。

ここでは、現時点の公開情報を主に、第5世代ステルス機F-22ラプターの後継機F-47について、以下の項目で説明しました。

  • 第5世代ステルス機F-22ラプターとは
  • 第6世代ステルス機F-47のイメージ
    • 2025年3月の契約内容について
    • イメージ画像で見るF-47の特徴
  • 第6世代ステルス機F-47の開発プロセス
  • 参考リンク
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