E-130Jフェニックス(Phoenix)IIは、戦術輸送機C-130J-30スーパー・ハーキュリーズをベースとしたE-6Bマーキュリーの後継機です。
E-130JフェニックスIIは、米国海軍のTACAMO(Take Charge and Move Out)任務機となります。
ここでは、E-130JフェニックスIIについて、E-6Bマーキュリーと写真で見比べながら説明します。
E-130Jフェニックス(Phoenix)IIとは
E-130JフェニックスIIは、E-6Bマーキュリーの後継となるTACAMO(Take Charge and Move Out)任務機です。
- E-130JフェニックスIIは、C-130J-30スーパー・ハーキュリーズをベースに開発されています。
- C-130J-30は、C-130Jの胴体を4.57m延長した機体です。
E-130JフェニックスIIは、残存性、信頼性、耐久性に優れた戦略的な空中指揮所であり、通信中継と戦略空中司令塔となり、弾道ミサイルを含む戦略的な指揮統制機能を備えています。
下図は、E-130JフェニックスIIのレンダリング画像です。
- C-130J-30スーパー・ハーキュリーズをベースに開発されています。
- 下図の機体上部の突起部、主翼端の突起部は、各種レーダーやセンサーだと思われます。
- 下図では、空中給油用のシャトルコック型(バトミントンのシャトルの様な形状)のドローグも描かれています。

241218-N-YW562-1001 Rendering of the U.S. Navy’s future E-130J aircraft, which will relieve the E-6B Mercury of the Take Charge and Move Out (TACAMO) mission. (Rendering courtesy of Northrop Grumman Corp.)
図1 E-130Jフェニックス(Phoenix)II
出典:US NAVY(米国海軍)のWebサイト<Home > RESOURCES > Photo Gallery>からの画像(加工しています。)
写真で見るE-130JフェニックスII
E-130JフェニックスIIは、2025年9月現在初号機を製造中です。
公開されている画像を紹介します。
イメージ画像
下図は、E-130JフェニックスIIのレンダリング画像です。

PATUXENT RIVER, MARYLAND, UNITED STATES 12.18.2024 Photo by Kathy Hieatt Airborne Strategic Command, Control and Communications Program Office Rendering of the U.S. Navy’s future E-130J aircraft, which will relieve the E-6B Mercury of the Take Charge and Move Out (TACAMO) mission. (Rendering courtesy of Northrop Grumman Corp.)
図2 E-130JフェニックスII
出典:DVIDS(米国防総省画像配信システム)からの画像
製造中のE-130JフェニックスII
下図は、E-130JフェニックスIIになる、C-130J-30スーパー・ハーキュリーズを製造中の写真です。
- 下図は3機中の1機目で、2026年に米国政府に納入され、E-130Jに改造されます。
- 下図は操縦席部分のフレームのようです。

MARIETTA, GEORGIA, UNITED STATES 09.12.2024 Photo by Kathy Hieatt Airborne Strategic Command, Control and Communications Program Office A sneak peak at the first C-130J-30 Super Hercules aircraft being built by Lockheed Martin Corp. for the U.S. Navy’s E-130J program. This aircraft ? the first of three ? is slated to be delivered to the government in 2026 for modification into an E-130J Engineering Development Model. The E-130J, formerly called E-XX, will be the successor to the E-6B Mercury for the Take Charge and Move Out (TACAMO) mission, which connects the president, secretary of defense and U.S. Strategic Command with the United States’ nuclear triad. The U.S. Navy’s Airborne Strategic Command, Control and Communications Program Office (PMA-271) is leading the TACAMO Recapitalization Program and is scheduled to award the Engineering and Manufacturing Development contract during the first quarter of 2025. (Photo by David L. Key, Lockheed Martin)
図3 E-130JフェニックスII:製造中
出典:DVIDS(米国防総省画像配信システム)からの画像
E-130JとE-6Bとの違い
E-130JフェニックスIIの諸元をC-130J-30と仮定して、E-6BマーキュリーとC-130Jスーパー・ハーキュリーズと比べます。
諸元(機体サイズ)による違い
下表が、以下の3機の諸元です。
E-6B | C-130J-130 | C-130J | |
---|---|---|---|
全長 | 45.8 m | 34.69 m | 29.3 m |
全高 | 12.9 m | 11.9 m | 11.9 m |
全幅 | 45.2 m | 39.7 m | 39.7 m |
重量 | – kg | – kg | – kg |
最大離陸重量 | 155,129 kg | 74,393 kg | 74,393 kg |
乗員 | 22名 |
E-6Bマーキュリー、C-130スーパー・ハーキュリーズは、以下の記事をご参照ください。


写真で見るC-130J-130とC-130Jとの違い
E-130JフェニックスIIのベース機C-130J-30とC-130Jとの違いは、機体全長です。
下図は、C-130J-30とC-130Jを比べた写真です。
- 下図上側は、C-130J-30が離陸する写真です。
- 下図下側は、C-130Jが離陸する写真です。
- C-130J-30は、C-130Jの胴体を4.57m延長した機体です。
- 下図のドアの位置から判断すると主翼前側の胴体が延長されていることがわかります。主翼後部側の胴体が延長されているかは下図でははっきりしません。
図4 C-130J-30とC-130Jの比較
出典:YOUNGSTOWN AIR RESERVE STATION(米国空軍)のWebサイト<Home > RESOURCES > Photo Gallery>からの画像(加工しています。)
E-130JフェニックスIIの歴史
E-6Bマーキュリーの後継機E-130JフェニックスIIの歴史について説明します。
2024年10月:TACAMO任務機がE-130Jと命名
2025年8月:E-130Jの通称フェニックスIIに
E-130Jの通称が、フェニックス(Phoenix)IIとなる。
参考リンク
この記事は、主に以下のWebサイトの情報をまとめています。
英文サイトを和訳していることと、私の理解した内容なので正確な情報は、以下の情報をご参照ください。
- E-6B Mercury
- E-130J popular name announced for TACAMO mission aircraft
- DVIDS – Images – The first C-130J-30 Super Hercules aircraft being built for the U.S. Navy’s E-130J program [Image 1 of 13]
まとめ
E-130Jフェニックス(Phoenix)IIは、戦術輸送機C-130J-30スーパー・ハーキュリーズをベースとしたE-6Bマーキュリーの後継機です。
ここでは、米国海軍のTACAMO任務機E-130JフェニックスIIについて、E-6Bマーキュリーの写真で比べながら以下の項目で説明しました。
- E-130Jフェニックス(Phoenix)IIとは
- 写真で見るE-130JフェニックスII
- イメージ画像
- 製造中のE-130JフェニックスII
- E-130JとE-6Bとの違い
- 諸元(機体サイズ)による違い
- 写真で見るC-130J-130とC-130Jとの違い
- E-130JフェニックスIIの歴史
- 2024年10月:TACAMO任務機がE-130Jと命名
- 2025年8月:E-130Jの通称フェニックスIIに
- 参考リンク