E-3セントリー:円盤型レーダードーム搭載の早期警戒管制機(AWACS)

E-3セントリー(Sentry) 早期警戒管制機
出典:USAF(米国空軍)のWebサイトからの画像(加工しています)

E-3セントリー(Sentry)は、早期警戒管制機(AWACS)です。

E-3セントリーは、民間機であるボーイング707/320を改造した機体です。旅客機そっくりの機体の背中に巨大な円盤(レーダー)のある特徴的な外観です。

早期警戒管制機は、地上に設置するようなレーダーを搭載しており戦場の詳細な情報をリアルタイムに把握することができます。

ここでは、主に米国空軍のWebサイトの情報からE-3セントリー(Sentry)についてまとめています。

早期警戒管制機(AWACS)E-3セントリーとは

E-3セントリー(Sentry)は、早期警戒管制機(AWACS)です。

  • AWACS:Airborne Warning and Control System

E-3セントリーは、次の役割を果たします。

  • 敵だけでなく味方も含めた対象の活動状況の認識
  • 作戦で示された担当領域における、指揮統制、戦闘部隊の管理、戦域の天候の監視などにより、敵行動について自軍への早期警戒情報の提供

このため、次のようなシステムを備えた空中警戒管制システム(AWACS)機で、統合航空作戦センターに戦場の正確なリアルタイム画像を提供することができます。

  • 統合指揮統制戦闘管理(C2BM:Command and Control Battle Management)
  • 戦域の監視、目標探知、追跡プラットフォーム

下図は、E-3セントリー(Sentry)の写真です。

  • 旅客機と同じ様な機体ですが、背中に円盤状のレーダーを備えています。
  • 他にも様々なセンサーを備えています。
E-3セントリー(Sentry)

Stratotanker keeps E-3 Sentry fueled An E-3 Sentry flies above Southwest Asia in support of Operation Inherent Resolve Aug. 30, 2017. The E-3 Sentry is an airborne warning and control system aircraft with an integrated command and control battle management, surveillance, target detection, and tracking platform. (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Michael Battles)

図1 E-3セントリー(Sentry)

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

E-3セントリーの主な特徴

E-3セントリーは、民間機のボーイング707/320を改造した機体に、回転式レーダードームを背中に備えています。

回転式レーダードームの大きさは、直径:9.1 m、高さ(厚み):1.8 mであり、2本の支柱により胴体から3.33 mの位置に設置されています。

レーダーの性能は、

  • 地表から成層圏まで、陸上や水上の監視が可能
  • レーダー探知距離:375.5 km以上

さらに、レーダーと敵味方識別装置(IFF)を組み合わせて地上からのノイズを取り除くことで、低空を飛行する航空機を探知、識別、追跡することができます。

  • IFF:Identification Friend or Foe

また、E-3セントリーは、空中警戒管制システムとしての機動性を持つことで次の利点があり、地上に固定されたレーダーシステムよりも残存性が高くなります。

  • 飛行経路を、任務や状況に応じ素早く変更できる。
  • 無給油で約8時間飛行できる。
  • 航続距離と滞空時間を、空中給油と機内の休憩エリアを使うことで増やすことができる。

E-3セントリーの主要システム

E-3セントリーの主要なシステムには、次のものがあります。

  • アビオニクス
  • ナビゲーション(航法)
  • 通信システム
  • センサー(レーダーと受動探知機)
  • 識別ツール(IFF/SIF)
    • SIF:Selective Identification Feature(選択性識別装置)

作戦に必要な情報は、グラフィックやテーブル・データとして、スクリーン表示され、ミッション担当者は、監視、識別、武器管制、戦闘管理、通信の各機能を使い作戦に必要な操作を行います。

写真で見るE-3セントリー

E-3セントリーをUSAF(米国空軍)のWebサイトの写真を使い説明します。

機体形状

下図は、機体上方からの写真です。

  • 機体は旅客機の様な形状です。
  • 胴体上の巨大な円盤がレーダーです。
  • 機体上に様々な突起物(各種センサー)があることがわかります。
E-3セントリー:上から

Walking the walk A U.S. Air Force E-3 Sentry assigned to the 552nd Air Control Wing taxis during a multinational elephant walk as part of exercise Cope North 24 at Andersen Air Force Base, Guam, Feb. 5, 2024. Cope North enhances U.S. relationships and interoperability with our regional allies and partners by providing the opportunity to exchange information and improve shared tactics to better integrate multilateral defense capabilities. (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Gerald R. Willis)

図2-1 E-3セントリー:上から

出典:EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

下図は、前方正面からの写真です。

  • 巨大な円盤(レーダー)を除けば、旅客機にみえます。
E-3セントリー:前から

Severe weather brings AWACs to D-M An E-3 Sentry (AWACS) from Tinker Air Force Base, Okla., taxis on the flightline at Davis-Monthan AFB, Ariz., May 16, 2015. Eight AWACS arrived here due to tornado alerts in Oklahoma. (U.S. Air Force photo/Airman 1st Class Chris Massey)

図2-2 E-3セントリー:前から

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

下図は、横からの写真です。

  • レーダーが機体から離されている様子が分かります。
  • 旅客機と違い、窓がないことが分かります。
  • 垂直尾翼上端の突起物を確認できます。
E-3セントリー:横から

E-3 Sentry FILE PHOTO — The E-3 Sentry is a modified Boeing 707/320 commercial airframe with a rotating radar dome. The dome is 30 feet in diameter, 6 feet thick and is held 11 feet above the fuselage by two struts. It contains a radar subsystem that permits surveillance from the Earth’s surface up into the stratosphere, over land or water. The radar has a range of more than 200 miles for low-flying targets and farther for aerospace vehicles flying at medium to high altitudes. (Courtesy photo)

図2-3 E-3セントリー:横から

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

下図は、機体下方からの写真です。

  • 機首の下部や側方の突起部分を確認できます。
E-3セントリー:下から

Air operations over JBER An E-3 Sentry assigned to the 962nd Airborne Air Control Squadron takes off from Joint Base Elmendorf-Richardson, Alaska, Aug. 5, 2020. The E-3, also known as the Airborne Warning and Control System, is equipped with a rotating radar dome that provides air surveillance over land or water to identify and track friendly and enemy aircraft. (U.S. Air Force photo by Alejandro Pena)

図2-4 E-3セントリー:下から

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

下図は、機体後方からの写真です。

  • レーダーが機体から離されている様子が分かります。
E-3セントリー:後方から

Gunfighter Flag wraps up An E-3 Sentry AWACS aircraft from the 963rd Airborne Air Control Squadron at Tinker Air Force Base, Okla., sits on the flightline at Mountain Home Air Force Base, Idaho, Sept. 21, 2009, during Gunfighter Flag. The AWACS aircrew participated as friendly “blue air” forces during the exercise. Gunfighter Flag, which ran from Sept. 14 through 24, was Mountain Home’s first large-scale, multi-national exercise which brought more than 450 personnel from the U.S. Air Force, U.S. Navy and Canadian air force to the base. (U.S. Air Force photo/Airman 1st Class Debbie Lockhart)

図2-5 E-3セントリー:後方から

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

離陸

下図は、離陸時の写真です。

  • 4基のエンジンで、フライトクルー4名に、ミッションクルーが13~19名です。
  • 写真から重そうな機体が離陸するように感じるのは、機内はレーダーやセンサーなどの電子装置やデータを処理するコンピュータを満載している感じでしょうか。
E-3セントリー:離陸

Sentry on the way An E-3 Sentry assigned to the 552nd Air Control Wing, Tinker Air Force Base, Okla., takes off for a mission during exercise Red Flag 23-2 at Nellis AFB, Nev., Aug. 4, 2023. Red Flag provides Airmen with the opportunity to experience realistic combat scenarios in preparation for future warfare. (U.S. Air Force photo by William R. Lewis)

図3 E-3セントリー:離陸

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

着陸

下図は、着陸時の写真です。

E-3セントリー:着陸

Red Flag-Alaska ends ELMENDORF AIR FORCE BASE, Alaska — An E-3 A NATO E-3 Airborne Warning and Control System prepares to touch the tarmac after participating in Red Flag-Alaska 2009 April 30 at Elmendorf Air Force Base, Alaska. This exercise enabled flying squadrons to enhance their fighting capabilities in simulated combat sorties in a realistic threat environment. The 10-day exercise ended May 1. (U.S. Air Force photo/Senior Airman Laura Turner)

図4 E-3セントリー:着陸

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

空中給油

下図は、KC-135ストラトタンカーから空中給油を受けるE-3セントリーの写真です。

  • 機首や機体上面などの突起物が各種センサーだと思います。
E-3セントリー:空中給油

A KC-135R Stratotanker refuels an E-3 Sentry A KC-135R Stratotanker assigned to the 507th Air Refueling Wing refuels an E-3 Sentry from the 552nd Air Control Wing during an orientation flight at Tinker Air Force Base, Okla., Feb. 25, 2020. The flight gave the Air Force Life Cycle Management Center logistics community and interns from the Premier College Intern Program and PALACE Acquire Logistics Trainee Program an opportunity to learn about the 507th Air Refueling Wing’s mission. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Mary Begy)

図5 E-3セントリー:空中給油

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

空母との一枚

下図は、空母USS Theodore Roosevelt(CVN 71)との写真です。

  • E-3セントリーは、様々なミッションに使われているようです。
E-3セントリー:空母との1枚

170821-N-XC372-677 (Aug. 21, 2017) A U.S. Air Force E-3 Sentry airborne warning and control system assigned to Air Combat Command at Tinker Air Force Base flies over the aircraft carrier USS Theodore Roosevelt (CVN 71). Theodore Roosevelt is underway conducting a composite training unit exercise (COMPTUEX) with its carrier strike group in preparation for an upcoming deployment. COMPTUEX tests a carrier strike group’s mission-readiness and ability to perform as an integrated unit through simulated real-world scenarios. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Anthony J. Rivera)

図6 E-3セントリー:空母との1枚

出典:USAF(米国空軍)のWebサイト<Home > News > Photos>からの画像

E-3セントリーの歴史

E-3セントリーの歴史について説明します。

  • E-3セントリーは、NATO、イギリス、フランスなどでも採用されています。
  • 航空自衛隊では、ボーイング767で作られたAWACSを保有しています。

1975年10月:E-3セントリーの設計開始

最初のE-3セントリーの設計、試験、評価が開始されました。

1977年3月:米国空軍に初号機納入

1978年4月:初期運用能力獲得

1999年:レーダーシステム改良プログラム(RSIP)

1999年にレーダーシステム改良プログラム(RSIP:Radar System Improvement Program)の初号機完成

  • RSIPは、米国とNATOとの共同開発プログラムであり、レーダーシステムのハードウェアとソフトウェアの大規模改修プログラムです。
  • RSIPによりE-3セントリーのレーダーの運用能力が強化(レーダー妨害に対し強くなるなど)されると共に、システムの信頼性、保守性、及び、可用性が向上しました。

2005年~:近代化プログラムブロック40/45開始

近代化プログラムブロック40/45は、これまでにない対空戦闘管理(マネジメント)の改善であり、2020年完了予定で進められました。

  • E-3セントリーと世界中の統合指揮統制、戦闘管理、広域監視を大きく変えるものです。
  • 1970年代のミッション・コンピュータとディスプレイのアップグレードにより、オープン・システムと市販のハードウェアとソフトウェアに置き換えます。

E-3セントリーの諸元

米国空軍のWebサイトの情報からE-3セントリーの主要諸元を下表に示します。

全長 46.6 m
全高 13 m
全幅 44.4 m
エンジン
  • P&W製TF33-FW-100Aターボファンエンジン 4基
  • 推力:9,298 kgf (1基当たり)
重量  92,986 kg(燃料なし)
最大離陸重量 147,418 kg
速度 579 km/h(マッハ0.48) ※最適巡航速度
高度 8,788 m以上
航続距離 9,250 km以上
燃料搭載容量 79,494 kg
レーダードーム 直径:9.1 m

高さ(厚み):1.8 m

2本の支柱により胴体から3.33 mの位置に設置

乗員 4名(フライトクルー)

ミッションクルー13~19名(人数はミッションによる)

参考リンク

この記事は、主に以下のWebサイトの情報をまとめています。

英文サイトを和訳していることと、私の理解した内容なので正確な情報は、以下の情報をご参照ください。

  • USAF(米国空軍)のE-3セントリー(Sentry)の紹介ページ

まとめ

E-3セントリー(Sentry)は早期警戒管制機(AWACS)で、民間機であるボーイング707/320を改造した機体に、巨大な円盤(レーダー)を背負った特徴的な外観です。

早期警戒管制機は、地上に設置するようなレーダーを搭載しており戦場の詳細な情報をリアルタイムに把握することができます。

ここでは、主に米国空軍のWebサイトの情報からE-3セントリー(Sentry)について、以下の項目で説明しました。

  • 早期警戒管制機(AWACS)E-3セントリーとは
    • E-3セントリーの主な特徴
    • E-3セントリーの主要システム
  • 写真で見るE-3セントリー
    • 機体形状
    • 離陸
    • 着陸
    • 空中給油
    • 空母との一枚
  • E-3セントリーの歴史
    • 1975年10月:E-3セントリーの設計開始
    • 1977年3月:米国空軍に初号機納入
    • 1978年4月:初期運用能力獲得
    • 1999年:レーダーシステム改良プログラム(RSIP)
    • 2005年~:近代化プログラムブロック40/45開始
  • E-3セントリーの諸元
  • 参考リンク
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