協調戦闘機(CCA:collaborative combat aircraft)は、戦闘機などと一緒に行動する無人機です。
2025年3月、米国空軍は、協調戦闘機(CCA)として、次の2機種を選定しました。
- General Atomics社製のYFQ-42A
- Anduril社製のYFQ-44A
ここでは、2025年10月31日のAnduril社のWebサイトで公開されたYFQ-44Aの飛行試験について説明します。

YFQ-44Aは、白紙状態から半自律飛行の初飛行まで556日です。
556日というと18.5か月、約1年半です。
YFQ-44Aの飛行試験
協調戦闘機(CCA:collaborative combat aircraft)開発の主要なマイルストーンの1つ、地上試験は2025年にはじまりました。
そして2025年10月、Anduril社製YFQ-44Aが半自律飛行による飛行試験がはじまっています。
CCA開発(プログラム)の優先項目は、
- スピード(rapid integration)
- 柔軟性(iterative upgrades)
- 費用対効果(scalable production)
ですが、YFQ-44Aは、白紙状態から556日で半自律飛行にすすんでいます。
以下、Anduril社製YFQ-44Aについて説明します。
CCAプログラムの優先課題
CCAプログラムでは、戦闘機の自律飛行と共に短期間での大量生産を目的としています。
戦闘機の自律飛行は、航空史における飛躍的変化とよべるものであり、CCAプログラムでは、無人機としての単独運用に加え、有人戦闘機との連携が想定されています。
技術的な進歩は、技術レベルの飛躍を含むだけでなく、その速さも増しています。
このため短期間で開発し大量生産を行えることがCCAプログラムの最優先課題ととなっています。
YFQ-44Aでの半自律飛行
戦闘機の半自律飛行が航空史における飛躍を意味するということは、航空機の教科書(aviation textbooks)には、半自律戦闘機の開発や試験手法についての記載はないということでもあります。
このためYFQ-44Aの開発にあたりAnduril社は、米国空軍との緊密な連携のもと、次のような取り組みにより、白紙状態から556日での半自律飛行という前例のない開発速度を実現しています。
- 設計の簡素化と製造が容易であることを追求
- 困難な課題に優先的取り組み
遠隔操縦機の発展型ではないYFQ-44Aの設計
YFQ-44Aは、遠隔操縦機として設計されていません。
初飛行以降の運用方法においても同様です。
これまでの全地上走行試験や飛行試験は、次のようなイメージで半自律式で行われています。
機体は、人間による指令(操縦)に依存せず、機体姿勢やエンジン・スロットルを調整し、ミッション計画を自律的に実行します。
オペレーターは機体を監視しており、ボタン1つで着陸させることができます。
YFQ-44Aのソフトウェア
YFQ-44Aのソフトウェアには、次のような飛行だけでなくハイエンドの戦闘や維持・運用に関することも求められています。
- ウェポンシステムの統合的な運用
- 目標を識別し、複数機によるチームでの効果的な指令
- 整備状態や機体状態を管理してメンテナンスと飛行可能状態の維持
これらの技術的案課題だけでなく、「供給が追いつかない」という生産能力と規模の問題も増えています。
このため、YFQ-44Aは機体性能だけでなく、新たな生産システムの構築・試験も行われています。

質(CCAとしての性能)と量(生産数)をバランスさせる開発方法をとっているということです。
写真が見たいYFQ-44A
2025年10月から米国空軍のWebサイトの新たな更新がストップしていますので、新しい写真はありません。
YFQ-44Aの飛行試験については、Anduril社のWebサイトをご参照ください。
まとめ
協調戦闘機(CCA:collaborative combat aircraft)は、戦闘機などと一緒に行動する無人機です。
2025年3月、米国空軍は、協調戦闘機(CCA)として、General Atomics社製のYFQ-42AとAnduril社製のYFQ-44Aが選定されました。
ここでは、2025年10月31日のAnduril社ニュース記事で公開されたYFQ-44Aの飛行試験について、以下の項目で説明しました。
- YFQ-44Aの飛行試験
- CCAプログラムの優先課題
- YFQ-44Aでの半自律飛行
- 遠隔操縦機の発展型ではないYFQ-44Aの設計
- YFQ-44Aのソフトウェア
- 写真が見たいYFQ-44A
